マスクによる肌荒れ対策

ウイルス対策として、マスクは日常生活に欠かせないものになりました。そんな中、マスクを着用する機会が増えたことによって、ニキビや肌荒れが多くなったという方もいらっしゃるのではないでしょうか。

マスクの中は息がこもって何となく肌が保湿されているようなイメージもあります。しかしそれは全くの逆で、マスクの中は乾燥と雑菌によって、肌にとっては好ましくない環境にあるのです。

呼気がこもるマスクの中は温度・湿度共に高くて、皮脂が増えやすい傾向にあります。そのため増えた皮脂によって毛穴が詰まり、ニキビや吹き出物ができやすい状態に。

また、もともと口の中には多くの雑菌が潜んでいて、息をするたびマスクの中に放出されています。雑菌にとって高温多湿のマスクの中は最高の生育環境です。どんどん繁殖して雑菌が充満した状態になり、結果、ニキビや吹き出物の悪化にもつながってしまうことがあります。

呼気の水蒸気によって蒸れた肌は、肌の潤い成分を保持しづらく不安定な状態です。そこに加えて、食べたり飲んだりする際に一時的にマスクを外すことで、マスク内の湿気が急激に蒸散し、肌内部の水分が一気に奪われてしまいます。これが日常的に繰り返されることによって、肌の乾燥は加速してしまうのです。

また、マスクをつけたり外したり、あるいはズレを直したり…といった行動は、肌の角層表面を削って肌のバリア機能を低下させる原因にもなります。バリア機能が低下した肌は乾燥しやすいだけでなく、ちょっとした外的刺激にも過敏に反応して様々な肌トラブルを招いてしまうのです。

長時間のマスク着用によって肌は乾燥しやすい状態にあります。ですから、マスク荒れを防ぐためにはまず「保湿」を心掛けましょう。洗顔後だけでなく、肌の乾燥を感じた時やマスクをつける前なども保湿し、肌の潤いバリアを保つよう心掛けましょう。いつも使っている洗顔料や化粧水、乳液を保湿力の高いものに変えてみるのも一つの手です。

なお、マスクとの擦れが気になる部分にはワセリンを塗っておくことをお勧めします。ワセリンが肌表面を覆う保護膜となって、刺激から肌を守ってくれます。

マスクの中はどうしても蒸れて雑菌が繁殖しやすい環境にありますから、できるだけ肌を清潔な状態に保つ工夫も大切です。マスクをつけている時、マスク内にたまる水蒸気や汗、皮脂はこまめにふき取るようにすると良いでしょう。また、毎日の洗顔も念入りに。マスクに覆われている部分（顎・鼻・頬）は洗顔料の泡をたっぷりと使って丁寧に洗うようにしましょう。

セルフケアを頑張っているけれど肌荒れがひどい、ニキビや吹き出物がなかなか治らないという場合は皮膚科で相談を。セルフケアだけにこだわらず、必要に応じて専門医の力を借りることは、肌トラブルを無理なく早期に解消する近道です。